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2010/05/26

ultra marine

ultra marine

じゃ〜ん祝!今日は名盤「ultra marine 」の発売日です。
みんなもう聴いてくれたかな?
全13曲入り。今聴き直してみると、一曲一曲の想い出がよみがえります。
と言うわけで、ライナーノーツを書いてみました。

アルバム・ライナーノーツ

1 「欲望」
現代社会に生きている自分たちを、なんか「コミカルに表現できないかな〜」なんて思いながら書いた曲。自分のデモ・テープはけっこうロックっぽかったんだけど、
トーレが一言「この曲は、ダンシング・クイーンのエッセンスをちょっと・・・」
「えっ!」「あっそうだ、この人はABBAの国の人だぁ〜」なんて思いながら・・・
しかもトーレは「70年代はディスコで箱バンやってたんだよ」とも言ってた。
出来上がったオケを聴いて、大笑いした。でも何だか嬉しかった。
もちろん唄入れは、踊りながら唄った。

2 「群青の日々」
10年前「バラ色の人生」って曲でデビューしたんだけど、
それは20代の自分のテーマで・・・30代になった今、そろそろ
第2弾を書かなきゃなぁ〜なんて思っていまして・・・
群青って、ずっとよどんでたりくすんでたり暗い色のイメージだったんだけど、
辞書で引いてみたら、「鮮やかな青」って書いてありまして・・・
一瞬にして惹かれてしまった言葉なんです。「これだぁ〜」って。
日本語ってイメージと意味が違う言葉がいっぱいありません?
そこが歌詞を書いてておもしろい所でもあるんですけど・・・
田舎の友だちとかが「この曲ってラップなの?」なんてよく聞いてくるんだけど、
作った本人もよくわかりません。でもラップではないと思う。

3 「そして人生はつづく」
「欲望」と一緒で、人生を「おもしろおかしく表現できないかなぁ〜」なんて
思いながら書いた曲。この曲のデモテープをトーレはかなり気に入ってまして、
ほとんどアレンジを変えず、デモに忠実に作った。
トーレはずっと「この曲はシングルだぁ〜」と言ってた。
「このリズムはワールドワイドなんだぁ〜」と・・・
サウンドもそうだけど、「そして人生はつづく」ってタイトルがとっても
気に入ってます。まさにボクの行進曲!

4 「WA」
おまけ!

5 「ナイーヴ」
となりに住んでた女性の、いつも階段を上る足音がマジでうるさくて、
そのワン・フレーズで出来てしまった曲。いや〜信じらんないくらい
ドカドカうるさいんですよ。品がないっつうか・・・
やっぱ品は大事!

6 「始まりの唄」
1stシングルを選ぶときに、「群青の日々とこの曲どっちにしようか」と
かなり迷ってた曲。「群青の日々」同様、「蒼さ」をテーマに書いた唄。
繰り返しいつも新たな気持ちで「今日が始まり」だと思える自分がいたら、
それは素敵だと思う。

7 「マイ・ライフ」
この曲は今まで自分が書いてきた曲の中で、確実にTOP3に
入る名曲だと思う。「自分で言うなぁ〜」って言われそうだけど、
言わして下さい。この場を借りて(笑)
唄の中に「買いそびれてたオレンジのソファー」って歌詞があるんだけど、
最近街角で、新たなオレンジのソファーの出会って、早速購入しちゃいました。
めっちゃ嬉しいっす。

8 「レター」
たま〜に昔つきあってた人たちを思い出すことがありまして・・・
ふと「彼女たちはどうしてんのかなぁ〜」って。「結婚したのかなぁ」とか
「元気なのかなぁ」とか。
大体別れたらそれっきりなので、全然行方も知らないし。
そんなコトを思いながら手紙のように書いた唄。
だからタイトルもそのまま「レター」。
愛は長さじゃなくて、深さだと思う。何言ってんだろう、オレ。
でもホントそう思う。
「マディソン郡の橋」って映画があったけど、すっごい感動したもん。
この曲のイントロは何回聴いても「木もれ日が揺れてる感じ」で
ジ〜ンときてしまう。

9 「ピース」
トーレはこの曲のドラムループを「今まで作ったループの中で最高だぁ」
と自信満々に言ってた。トーレとドラマーのラスモスが共同で作るドラム・サウンドは
打ち込みっぽいんだけど、全て生。「人間じゃないとダメなんだ」ってのが、
彼らの口癖。ドラム・ブースはホントに音が鳴らなくて、ドラムセットはこれでも
かって くらいミュートされてる。一緒にレコーディングしてみて初めて謎が解けた。
この作品もそうだし、カーディガンズとかもへんなドラムの音多いからね〜。

10 「きみの声」
この曲はシチュエーションは全然違うけど
実際にあった話で・・・
北国の春(函館あたり)をイメージしながら書いた。
ちょうどレコーディングで行ったスウェーデンのマルメも
港町で、函館に似ていた。
トーレには、「寒い日に一瞬柔らかな木もれ日に包まれた
ようなムードにしたいんだ」って言ったら、
その通り暖かいサウンドを作ってくれました。

11 「アイリーン」
この曲を聴くと、なぜかイーグルスの「ホテル・カリフォルニア」を
思い出してしまう。何でかなぁ〜。全然意識して作ったわけじゃないんだけど、
ムードが・・・アレンジが似てるのかなぁ〜。
よくスウェーデンの人たちに「Gen、アイリーンってだれなの?」って
聞かれてたんだけど、その日その日街で会った北欧美女を指差して、
「あの人〜」とかって言ってたような気がする。
それと「この曲が好き」って言ってくれる回りの人たちは、
うちのおふくろを含め、圧倒的に40代以上の人が多い。
40代以下の人たちは、どう思うんだろう?
ボクは大好きですけど・・・

12 「フリーウェイ」
例えば海外に出て初めて、日本のいい所や悪い所を
感じるコトってよくある。
やっぱり外に出なきゃって。
「人生は旅だなぁ」ってつくずく思う。
自分のデモはこれよりずっとテンポが早くて、
キーも半音上だったんだけど、トーレが「もっとゆったりと
した方がクールでかっこいいんじゃないか」ということで、テンポとキーを
落としてみた。だから唄い方も少しソフトめに。
仕上がりはけっこうスペーシーな感じで、ヘッドフォンで
聴いてると、かなり気持ちいい〜。

13 「道」
やっぱこの曲はラスト。王道のラスト。
これが今の自分だし、多分これからもそうだと思う。
道があるから歩いていけるわけだし、一本の長い道を、
曲がりくねった道を、色んな道を歩きながら、光りを見つけていきたいなぁ〜
なんて思ってま〜す。

スウェーデンにいる間、偶然にも僕は毎日白夜を体験した。それはもちろん初めての
体験で、アルバムタイトルの「ultra marine」はその素敵な白夜の色を例えたも
の。このセッションは僕にとって新たな始まりだったし、「スウェーデンに行って
何かを見つけに行こう」っていう旅でもあったわけで、その偶然はかなり強烈で
した。今回16曲を録音したが、その中で厳選した13曲がアルバムに入っています。
トーレが港で僕らを見送りに来てくれた時、「Gen 、最高の名盤が作れたね」
と言ってくれた。涙が出そうだった。嬉しかった。とにかくトーレや回りの
人たち、そしてスウェーデンに、僕は多くの事を学ばせてもらいました。この旅で
また一つ、大きくなれたと思います。アルバム「ultra marine」を聴いて、
それぞれの心に何か響くものがあれば嬉しいです。
ちなみにアルバムジャケットはデザイナーの岩淵嬢がオレの写真を刺繍に
してくれました。かなり感謝です。

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